L-0<1931> : Very first Gibson's flat-topのカテゴリ

1931 L-0 in the daylight

ギブソン社が本格的にフラットトップ・アコースティック・ギターの製作に乗り出したのは1926年。ここで紹介するL-0と、 アーチドトップからフラットトップへと仕様変更されたL-1の2台が、現在に続く、ギブソンのフラットトップ・ギター史の先駆けとなった。
以後に大型化されたシリーズが登場するが、ごく初期のL-0などは、いわゆるスモールギターと呼ばれる小型サイズだった。しかし、 極薄のトップ板など、意図的に軽量に仕上げられたそのボディは、ピッキングに容易に反応し、豊かな鳴りを備えていた。
近年では、アコースティック・ギター界のヒーローの1人、押尾コータロー氏がこのオール・マホガニーで構成されたL-0タイプのギターを使用していることでも、そのポテンシャルの高さが証明されている。のちのL-00などにも流用されていく独自のボディスタイル、Xブレイシング、かつ12フレットジョイントという構成は1年程度のみの、極めてレアな仕様のL-0。世紀を越えて響き続ける、戦前のギブソン・サウンド。This is the blues guitar. そう呼びたい、「小さな巨人」である。
ギブソンのフラットトップ・ギターの先駆けはL-0とL-1とされるが、L-1はアーチドトップからの仕様変更であったため、モデル発表の当初からフラットトップであったL-0こそが、真のフラットトップの先駆的存在という見方を私はしたい。
※このギターはご縁があり、長野県にお住まいの方にお譲りしました。これまで、私の所有でなくなったギターは新しいオーナー様のプライバシーを重視し、このサイトから削除しておりますが、今回はETG-150、Kalamazoo KHGN-12と同様、新オーナー様のご希望で、このサイトに引き続き掲載することといたします。よろしくお願いします。
L-0<1931>【Head stock】

ギターの中で最もぶつけやすいところは、このhead stock(ヘッド)である。ペグ(糸巻き)が取り付けられる場所なので、 peg head(ペグヘッド)とも呼ぶ。このL-0は1931年製で、昭和で言えば、昭和6年。80年もの時が流れ、相当に昔であるが、このギターはヘッド部も含め、奇跡的に美しい状態を保っている。
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L-0<1931>【Peg】

1931年製のL-0のペグ(糸巻き)は、1弦から3弦、4弦から6弦と、片側3弦分が一連になっている、いわゆる3連ペグ。シカゴで1926年に産声をあげたKluson(クルーソン)社製だ。
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L-0<1931>【Neck】

1931年製のL-0のネックは、Honduras mahogany(ホンデュラス・マホガニー)のワンピース。削り出しで作られたもので、 マホガニーの中でも最高級とされるホンデュラス産のマホガニーの木目の整った箇所を、贅沢に使っている。
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L-0<1931>【Top】

L-0をはじめとする戦前のスモール・ギブソンは「超軽量」がひとつの特徴だ。とりわけ、1930年から31年にかけてのトップ板の厚みは2ミリ程度と薄く、サイドとバックも同様に鳴りを優先して薄い板で作られた。これは、32年ごろからのL-0、L-00とも一線を画すほどの「超々軽量」を生み出す構成である。
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L-0<1931>【Bridge】

1931年製のL-0のブリッジは、rectangular bridge(レクタンギュラー・ブリッジ)。長方形のブリッジ、の意味で、 横長の長方形の形状をしている。後年の、ギブソンのひとつの特徴となる、ネック側が膨らんだアッパーベリー・ブリッジなどとは違い、 非常にシンプルである。
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L-0<1931>【Pickguard】
ピッキングからトップを守るピックガードは、戦前特有の形状をしている。やはり戦前に生産された1941年製のKalamazoo KHG-14を見ていただくと、酷似しているのが分かる。全体的にトローンとした、形容しがたい形である。
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L-0<1931> and Roy Book Binder's Nick Lucas Reissue Prototype<1991>: impressions

戦前の1931年と、1991年。ちょうど60年の時を隔ててこの世に生まれた2台のギター、ギブソン初のフラットトップギターであるL-0と、米国の著名なフィンガーピッカー、ロイ・ブック・バインダーの愛機だったNick Lucas Reissue Prototype(ニック・ルーカス・リイシュー・プロトタイプ)。ともにL-00タイプのスモール・ボディという共通項がある一方、ギブソン社発祥の聖地カラマズーと、近年のギブソン・アコースティック再興の地であるモンタナという出自の違いも興味深く、今回、2台を意識して弾き較べてみた。弦は、張っているゲージも、張り替えた日時も違い、厳密な意味での比較にはならない。しかし、同じルーツを持つ2台がどんな「表情」をかいま見せてくれるのか、あえて意識的に試してみようというのが、この試みだ。あくまで、私の感覚的なものを書き記したインプレッションである、とご理解いただければ幸いである。
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