Vintage Gibson WorldLes Paul Gold Top<1953> : Oldies, but Goldies. Most beautiful gold top guitar, 全ギターの【Top】 > Les Paul Gold Top<1953>【Top】

Les Paul Gold Top<1953>【Top】

Les paul1953top

1953年製のLes Paul Gold Topのトップは、ゴールド一色に塗装されている。「金は豊か、高価、最良を意味している」とするLes Paul(レス・ポール)氏自身のアイデアで、この絢爛なトップの塗装が決まった。

トップは、硬質な材であるmaple(メイプル)。2ピース、ないしは3ピースで構成されていた。これに、Honduras mahogany(ホンデュラス・マホガニー)をワンピースで木取りして、バック側として貼り付けるというのがLes Paulの基本的な構成だ。

ギブソン社にとって初のソリッドギター(弦の鳴りを響かせる空洞部分がないギター)が、このLes Paul Gold Topだった。 後発のギターメーカーであるフェンダー社がTelecaster(テレキャスター)で市場を席巻、 フルアコースティックのボディを得意としてきたギブソンもソリッドギターの開発に手を付けざるを得なくなった。プライドをかけて、Les Paulを世に送り出さねばならない。そんな、伝統メーカーとしての自負心は、かなりのレベルだったはずだ。

ash(アッシュ)のワンピースという単純な構成だったテレキャスターに対し、ギブソンはソリッドながら、 複雑な構造を取った。弦の振動を受け止めるトップ側は、硬質なメイプルをトップに。ただし、メイプルだけでは音が硬くなりすぎるため、 マイルドなトーンを持つ、比較的柔らかな材であるマホガニーを背部にグルー(にかわ)で貼り付ける、という手間のかかる工法をあえてとった。

当時のギブソン社の社長であった故Theodore M. McCarty(セオドア・M・マッカーティー)氏がインタビューに答えたものを収録した英書によると、1年以上に及ぶ試作段階で、Les Paulは当初、メイプルのみで作られた。しかし、サスティーンが長すぎるギターになってしまった。メイプル材の堅さゆえだ。ボディが堅いと、弦振動は長くなる。そこで、マホガニーとのサンドイッチ構造を思いついたという。

革新的な構造が固まった後、トップには、それまでの削りだしのアーチドトップギターのように、トップ部分からスロープを描いて下がり、縁の部分で再び上方向にアーチを付ける、複雑なカーブをつけることになった。これも、ギターを美しく見せるのと、全体の重量を重くしすぎないという配慮などが働いたのだと思う。

マッカーティー氏の発言によれば、ライバル社であったフェンダーが、トップにアーチをつけるカーヴィングマシンを持っていなかったことが、アーチを付けた最大の理由だという。最終的に、このカーブドトップが、Les Paulという稀代の名器の表情に、陰影と深みを与えた。

トップにマウントされたピックアップは、P-90と呼ばれるシングルコイル。ただし、 フェンダーのような幅の狭いシングルコイルとは違い、ピックアップの幅を広く取って、コイルが大きめの弧を描くように巻かれているため、 シングルコイルながら音は図太く、豊かだった。

シングルコイルの弱点は、電灯などからのハムノイズを拾いやすいことだ。50年代後半、この問題に対応するため、 ギブソン社はシングルコイル2つを位相を逆にして配置することでノイズを打ち消すハムバッキング・ピックアップを開発、1957年から搭載する(※以下の画像は1959年製のES-335TD。 右上部に搭載されたハムバッキング・ピックアップ2つが確認できる)。

P1010201

このP-90とハムバッキングタイプは、「シングル」と「ダブル」のコイルを持つピックアップ、といった感じで、 対照的なもののように語られることもあるが、実のところ、そうではない。前述したように、P-90は、シングルながら、 その構成から来る太い音像を持っていた。開発者たちがハムバッキング・ピックアップで意識した音は、このP-90の音だったという。つまり、 P-90からハムノイズを除いたピックアップを作ろうというのが、開発者たちの意図だったのだ。

圧倒的な人気を博すバーストのLes Paulの一方で、粗削りでワイルドなP-90搭載のGold Top モデルを愛するギタリストも後を絶たない。 ギブソン社の威信をかけて世に問うたLes Paul Gold Topは、1950年代前半の初期段階から、すでにして、非常に完成度の高いギターだったと言える。

当サイトと免責事項について

  • Vintage Gibson Worldは個人で運営しているサイトです。
  • 当サイト内の掲載情報をご利用された際に発生した、いかなる損害・トラブルについても一切の責任を負いかねますので、ご容赦ください。
2007-2010 copyright(c) Vintage Gibson World All Rights Reserved.