Les Paul Gold Top<1953>【Bridge】

1953年製のLes Paul Gold Topの最大の特徴のひとつが、ブリッジである。 1本のバーでブリッジとテールピースを兼ねる構成で、通称、バーブリッジと呼ばれる。
1952年に世に出たLes Paul Gold Topは当初、トラピーズ・テールピース(ブリッジ部分から左右に金属の棒が伸び、 ボディ下部のストラップピンの部分で固定されたテールピース)を採用していた。しかし、ネックの差し込み角度の浅さなど、設計の問題から、 テールピースの上部に弦を通すのではなく、バー部分の下部を弦が巻く形にせざるを得ず、 ブリッジ部分に右手を乗せて音をミュートするようなプレーが困難だった。
ギブソンは翌1953年、ただちに対策を施す。ネックの差し角を3度、と強くすると同時に、テールピースをバーブリッジに変更する。これは、当時の社長であったTheodore M. McCarty(セオドア・M・マッカーティー)氏の考案で、1953年1月21日に特許を出願、2年後の1955年8月2日に特許が認可されている。
特許出願の書類が興味深い。ギブソンがうたう、バーブリッジの「効能」はこうだ。
まず、トラピーズ・テールピースにはあった、左右の下部からボディエンドに伸びる2本のバーがない、シンプルな構造であるため、ボリュームやトーンのノブの操作が容易である。さらに、ブリッジとテールピースを一体化させた構造であるため、両者が分けられた構造のものでは生じていた振動消費が全くなくなり、優れた振動特性が得られる--以上が、特許出願書類の文面にうたわれている。
バーブリッジは、左右に付けられたネジで弦のピッチを調整する方法を取った。現代の、 1弦ごとに高さや前後の調整が微妙にできるものからすれば、ある意味、原始的でシンプル極まりないが、実は、ピッチのずれはほとんどない。 実用上は問題ないレベルなのだ。むしろ、特許出願の書類通り、細かなブリッジパーツを使わないシンプルな構成が、鳴りを最大限引き出す結果となっている。
フレディ・キング、マイク・ブルームフィールドなど、このバーブリッジタイプのLes Paul Gold Topを愛したギタリストは多い。エリック・クラプトンが、このタイプのLes Paulを演奏したフレディ・キングにあこがれていた、というのは有名な話だ。
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