Kalamazoo KHGN-12【Back】

ギターを裏返した瞬間、息を飲むようなストライプが目に飛び込んでくる。タイガーストライプ、あるいは、燃え立つ炎が揺れる様に似ていることからファイヤーストライプとも呼ばれる文様。角度や光の当たり具合によってストライプは3Dのように動き、奥深い表情を見せる。ストライプと交差するように、木目に沿ってところどころに浮かび上がっている茶色いフレックが、ハードロック・メイプルであることの証明だ。
歴史を振り返ると、ギブソン社は、それぞれの最高機種には、サイドとバックにメイプルを使用する頻度が非常に高かった。そして、最高機種といえば、ギブソンではブロンド・フィニッシュ、ナチュラルカラーである。セカンドブランドで廉価版のKalamazooにさえ、ギブソンはこの「ルール」を適用した。14フレットジョイントのKGN-12と、ハワイアン・セットアップである12フレットジョイントのKHGN-12が、kalamazooのフラットトップギターにおける最高位である。

それにしても、セカンドブランドのギターに、ここまで良質の材を使うだろうか。現代の常識からすれば考えられない贅沢さだ。最高位のブロンド・フィニッシュのギターには、楽器としての「見た目の美しさ」も求めたギブソン。徹底的にこだわりぬく戦前のギブソンらしい。
状態はすこぶるよく、バックルウェアは皆無。ごく少数の打痕があるのみで、良好な状態を保っている。ブロンドカラーが、その豪華さと品の良さを醸し出している。セルロイドから作られた鼈甲模様のバインディングが、視覚的なアクセントとなって、引き締まった印象を与えている。
硬質な材であるゆえ、音の返り、立ち上がりは速い。タイムラグのない音が、サウンドホールに跳ね返ってくる印象だ。
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