1930's quartet:1930's Gibson L-30,1930 Martin0-18K, 1937 National Duolian formerly owned by Tokio Uchida,1936 Gibson made Recording King Carson J. Robison model 1281

愛すべき、古き良き時代のギターたち。今回は、ギブソン・メイドを含む1930年代製の4台を弾き較べて、個人的なインプレッションを綴ってみる。
画像は左から、1930年代後半製と思われるL-30、1930年製のMartin0-18K、1937年製のNational Duolian、そして1936年製のRecording King Carson J. Robison model 1281である。
米国では大恐慌で未曽有の事態に陥っていた時代が、1930年代だ。そんな時代に作られたギターたちには共通点があるのか、否か。全くタイプの違うギターばかりだが、試みに弾き較べてみた
全体を一通り弾いて、比較対象しながら印象を綴ってみると、まずL-30は、当然というべきか、フラットトップとは全く違う音の出方である。音量は4台の中で最も控えめ。音質的にも、もっともまろやかである。少し鼻にかかったような、中音がまさった音色で、音のエッジが一番少ない。fホールであることも多分に影響していよう。弦のアタック感も一番少ない。
0-18Kはコア特有の甘く華やかな音色と、独特のリヴァーブがまず印象に残る。低音も、ピッキングに反応してずん、と出る。高音はきらびやかだが、きんきんとしておらず、耳に優しい。単音でも線の細さがなく、芯がしっかりある印象だ。音量も、想像を遥かに超えて大きい。オープンチューニングとの相性もいい。
Duolianは、リゾネーターという構造と、プレスされたスチールという材質的な違いがあるのだが、金属、という印象は薄く、むしろウッディな音さえする。金属製のギターであっても、ネック部分や金属パーツ類同士の馴染みなどで経年変化があるのだろう。リヴァーブは言うまでもなく豊かだ。リゾネーターだから必ずリヴァーブがあるというものではなく、残響の少ないものも存在する。このギターは、その点、全く問題がない。前オーナーの打田十紀夫さんがおっしゃっていた、「いいリゾネーターの条件」のひとつは、Dにチューニングされた1弦で5フレット、すなわちGにスライドアップしたとき、その弦そのものと、ギター全体が豊かに響くこと、だそうだが、このギターがまさにそうだった、と言われていた。とにかく気持ちのいい音を奏でてくれる。
Carson J. Robisonは、ラダーブレイシングによる中音のまさった、がらーんと響く感じが特徴的だ。アディロンダックのトップが生んでいると思われるきらきらした華やかな音も含まれるが、L-30のようなまろやかな、いくぶん湿り気を帯びたような音色はなく、ワイルドな音。これを、俗に枯れた音というのだろうか。言うまでもなく、カントリー・ブルースにうってつけの音である。
L-30はジャジーな曲や、ボサノバっぽい曲にマッチする。0-18Kはオールマイティーで、フィンガー系ならブルースからコンテンポラリーなソロの曲も守備範囲だ。DuolianとCarson J. Robisonは、やはりブルースである。
4台に共通して言えるのは、①材が選りすぐられて選定されている②手作業の度合いが多く、職人の個性が細部に見られる③丁寧に作り込んでいる④経年変化から来る音のまろみというものが機種を問わず感じられる⑤長期間にわたって生き残り、適切なメンテナンスを受けてきていると思われるので、状態が安定していて、季節によってネックが動く、といった状態変化が少ない---こんなところだろうか。まとめて1930年代のギターを弾いてみたのは初めてだが、非常に癒やされ、楽しい時間であった。
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