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"Premium Guitar World" '59 Les Paul 40th Anniversary Aged Vintage Replica, wood-picked, painted and aged by Tom Murphy<1999>:Very first officially aged guitar in the Gibson's history

1999 40th anniv. Les Paul aged by Tom Murphy

ギブソン社のエイジドされたギターは、フェンダー社のレリック仕様と並び、ヴィンテージ・テイストを現行モデルに付加する上でいまや欠かせないものになった。エイジド・モデルは1999年に導入され、すでに10年余り。この間、ジミー・ペイジ、ビリー・ギボンズといった大御所の愛機のレプリカも含め、相当数のエイジド・モデルが出されてきている。エイジドには、この技術を確立した名匠トム・マーフィー氏自らの手によるものと、ギブソンのファクトリーで彼の指導を受けたクラフツマンがほどこしたものがあるが、この1台は、マーフィー氏自身が材の選定、塗装も含めて手がけたもので、ギブソンの公式ホームページや代理店の広告で画像が紹介された。1999年のNAMMショーでエイジド・モデルが初めて発表された当初の、シリアル最初期の希少な展示モデルで、氏がエイジドを世に問うため、持てる技術を注ぎ込んだ、入魂の1台である。

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2003年にハカランダ指板を使ったヒストリックのレス・ポールが発売された。2009年には、より細部を煮詰めた50周年モデルも発表された。しかし、本国の米国を中心に、レス・ポールのマニアは、いまだに「1999年の40周年モデル」にこだわっている。厳密に言えば、「1999年の40周年モデルの最初期もの」である。なぜか。冒頭にも触れたように、トム・マーフィー氏が材の選定に始まり、自ら塗装も手がけ、そして入魂のエイジド処理を施しているからである。これらの条件を備えるものはわずかに20台程度と言われる。何が違うのか。本国のレス・ポール通に言わせると、「木目の具合、塗装のフェイドした感じ、そしてエイジドの雰囲気。すべてが、ヴィンテージのレス・ポールのフィールに近いからだ」という。

1998年。マーフィー氏はエイジドモデルを発表する翌1999年冒頭のNAMMショーに向け、未塗装の段階の、あまたあるギターの中から、私が現在所有する、この1台を選んだ。数年前、ご本人に直接うかがったことがあるが、彼が大変好みとする杢目だそうで、「私の最もフェイバリット(好きな)ギターのひとつで、おそらくこれからもフェイバリットであり続けるだろう」とのことだった。このギターの希少性を証明する直筆の彼のレターにも、同じ文言が記されている。単に杢目が好きであるというだけでなく、光の当たり方によって浮き上がってくるように見える「3D」の度合いが並み外れた材であることを見抜いたから、「好きだ」と感じたのだろう。彼の塗装技術によって、その「3D」度の凄みは、間違いなく増している。

彼はこの未塗装段階のこのレス・ポールを自身の工房に持ち込み、まさに魂を込めた1台とすべく、長年培った技をすべて注ぎ込んで、フェイドした色合いのサンバーストの塗装と、エイジド処理を施した。どれほどの時間がつぎ込まれたか、想像できない。それほど、職人の魂がこもっている仕上げとなっている。

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この細かなクラッキングの再現度は、どうだ。まるでリアルなヴィンテージである。NAMMショーでこのギターが展示されたとき、会場につどった人々は、まさに目を見張ったという。ヴィンテージそのものではないか、と。

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のちの生産ラインに乗ったエイジドとは違い、このギターは、ショーでプロのディーラーに見てもらうための1台である。だから、マーフィー氏の気迫が違う。画像では捉え切れていないが、塗装も匠の技である。右肘が当たる周辺は、微妙に塗装が飛んだ感じになっている。

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ブリッジ周辺のエイジド処理も、リアルの一言である。光の当たる具合によって、木目がぐっと浮かび上がり、クラックが浮き立って見える。

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打痕や、塗装が削れた跡なども、マーフィー氏の処理のまま。トップだけにエイジド処理をほどこした後年のラインものとは全く違い、ギター全体にごく自然なエイジド処理が成されている。

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ヒール周辺の処理も見事というほかない。ヴィンテージのギターに実際にチェッキングが入ったときの「流れ」を忠実に再現しているから、実際にウェザーチェックが入っているように見えるのだ。

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ボディ裏のバックルウエアも、ナチュラル。プレーヤーが大事に弾き込んで、ごく自然に傷がついていった感じを再現している。

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先にも触れたように、2009年に50周年モデルが流通した後も、本国のマニアは「40th(フォーティース)」という愛称で、1999年に発表された最初のエイジドを愛し続けている。1994年に発売が始まったヒストリック・シリーズの初の全面的なリニューアル・モデルであったため、材の選定が極めて厳しく、特に最初期の出荷ものとなるファースト・ロットは選りすぐられた材のみを奢っていた。マーフィー氏はその中から、彼が考える「ベスト・オブ・ベスト」を選び抜いて、このギターに独自の塗装技術とエイジド処理で息を吹き込んだのだ。

ギブソンの歴史の上でも、後に爆発的な人気を誇っていくエイジドモデルの先駆となった1本であり、その希少性が色あせることは、今後もないだろう。

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