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"Premium Guitar World" VICTORIA paror guitar<1910's>: made by Oscar Schmidt, formarly owned and played by Duke Robillard

VICTORIA by Oscar Schmidt

photo coutesy of Mr.Jim Bastian

 

1910年代後半に製作された、オスカー・シュミット社制作のパーラーギター「VICTORIA(ビクトリア)」である。戦前のブルースマンの多くが、同社の名を冠したギター、「オスカー・シュミット」や、同社が作る「ステラ」を使っていたが、このギターは、指板にツリー・オブ・ライフの絢爛豪華なインレイが入れられ、トップがスプルース、サイドとバックがホンデュラス・マホガニーという、廉価版のギターが大半だったオスカー・シュミット製としては、材質、装飾面からも頂点に位置する特注ギターのうちの1本。信じられないことに、ニアミント・コンディションだ。しかも、アメリカの、第一線のプロフェッショナルが所有していたプレミアムもので、ライブでも実際に愛用されていたものである。

前オーナーは、私のギター・ヒーローの1人である名手、Duke Robillard(デューク・ロビラード)。このギターは、彼の最新DVDの表紙を飾っている。大柄な彼が抱えると、極めて小さく見える。

Live at the Blackstone River Theatre, Duke Robillard

Duke Robillard with his Oscar Schmidt, on the cover photo of DVD "Live at the Blackstone River Theatre"

 
  • Duke RobillardのオフィシャルHP
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    デュークはDVDの中の「Buy Me A Dog」でこのギターを弾いている。この曲のためのスペシャル・ゲストが、マディ・ウォータースやエリック・クラプトンら大御所をサポートしてきたブルースハープのジェリー・ポートノイ。デュークのギターとジェリーのハープが素晴らしく調和したライブ・パフォーマンスを見ることができる。まさに、ブルースだ。

    実際、このギターは想像以上の小ささ、軽さであり、かつ、想像以上の豊かな音量と、ブルージー・サウンドを奏でる。デュークが長年にわたって慈しむように使い、プロフェッショナルならではの細やかさを持ってケアを続けたギターは、弾きやすさ、音の出ともに、ひと味もふた味も違う。セッティングが実に絶妙で、スライド・プレーにもバズがなく、音が伸び、かつフィンガー・ピッキングも問題ない弦高。90年以上の時を経たとは思えぬ美しさと、しっかりした状態が保たれている。

    デューク・ロビラードは、ブルースからスイング・ジャズ、ルーツ・ロックまで、驚愕する間口の広さと卓越したテクニックを持ち、御大ビッグ・ジョー・ターナーをして「T・ボーンは生きている」とまで言わしめた名手で、B.B.キングも「彼は最も偉大なギタリストの1人」と絶賛している。

    彼は「ルームフル・オブ・ブルース」の創設者にして、故スティーヴィー・レイ・ヴォーン、ジミー・ヴォーン兄弟とも親交が深く、ファビュラス・サンダーバーズにジミーの後任として加わった経歴も持つ。自らリーダーアルバムをたくさん出し、2006年と2010年には、作品がグラミー賞にノミネートされる栄誉にも浴している。受賞歴も数多く、かつてW.C.ハンディ・アワードとして知られた由緒ある賞、現「ブルース・ミュージック・アワード」の「ベスト・ブルース・ギタリスト」部門を4度も受賞した経歴がある。

    ライブやレコーディングをともにしたミュージシャンは、ヴォーン兄弟以外にも数知れずいる。主立った名前を挙げるだけでもエリック・クラプトン、ドクター・ジョン、マリア・マルダー、アルバート・コリンズ、オーティス・ラッシュ、ロバート・クレイ、ジョン・リー・フッカー、ジミー・ウィザースプーン、J・ガイルズ、ジョン・ハモンド、デヴィッド・グリスマン、ボブ・ディラン、トム・ウエィツ、ジェリー・ポートノイと、ビッグネームがごろごろといる。

    近年では、J・ガイルズらと共同名義でアルバムをリリースしたり、トム・ウェイツのツアーに呼ばれたり、クラプトンの「クロスロード・ギター・フェスティバル」にロバート・ジュニア・ロックウッドらと出演したり、ボブ・ディランの最新作には、彼のプレーが3曲でフィーチャーされていたり、と八面六臂の活躍を続ける、ミュージシャンズ・ミュージシャンのひとりだ。

    さて、このビクトリアは私のヒーローの1人が前オーナーではあるが、単純に、ブルース・ギター史にとっても貴重な1台で、博物館級の状態と言える。ステラ・ギターの研究家としても知られ、研究本も出版しているミュージシャン、ニール・ハープ氏にうかがったところ、「信じがたいコンディションで、オスカー・シュミットのギターの中では非常に珍しく、愛好家が必死で探し求めるタイプの1台と断言できる」という逸品である。

     

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